![]() |
|
| 子どもの食事を考えることはとても大切なことです。そのためには、本当に必要な知識を正確に身に付け、応用していくことが重要です。育児書のマニュアルや、お隣のお子さんと比べて悩むなど、結果だけを見てしまうと大切なことを見失ってしまいます。大事なことは、身長や体重が、その子なりに順調に成長しているかどうか、ということです。小さめでも大きめでも、なだらかに成長している場合は、大きな問題はない場合がほとんどです。急激に太ったり、成長がストップしたりしていなければ、あまり心配はいりません。 大人がバランスの良い楽しい食卓を心がけていれば、子どももきちんとした食体験を持った大人に成長してくものです。今回の表や注意事項も基礎知識として心にとめていただき、あまりこだわりすぎて、神経質にならないように心がけてくださいね。 |
堤先生 |
| 指導:日本子ども家庭総合研究所 母子保健研究部栄養担当部長 堤ちはる先生プロフィール |
|
![]() |
![]() |
| 厚生労働省「生活活動強度別 エネルギー所要量 (kcal/日)」 注)生活活動強度II(やや低い)は、現在国民の大部分が該当するものである。生活活動強度III (適度)は、国民が健康人として望ましいエネルギー消費をして、活発な生活行動をしている場合 であり、国民の望ましい目標とするものである。 |
| お子さんが“一日にどれくらいの食事を与えていいのかわからない”と訴える方が多いようです。厚生労働省から発表されている生活強度別エネルギー所要量の表を見てください。生活活動強度のやや低い1〜2歳児で1050kcal、生活活動強度の適度なお子さんですと1200kcalとなっています。生活活動強度のやや低い3〜5歳児で1350kcal、小学校に上がる頃になると1650 kcalとなり、ママ世代の18〜29歳の1800kcal、30〜49歳の1750kcalの数値と、ほぼ同等のエネルギー摂取を必要としているのですよ。 たとえば、3歳の男の子で、生活活動強度の適度なお子さんなら、1550kcal。お母様世代(30代女性)で、一般的な生活をされている現代人の「生活強度」は「やや低い」に該当する方が多いので、1750kcal、その差は牛乳コップ1.5杯分程度でしかありません。体重比で考えると、4分の1〜5分の1の小さな身体ですが、必要カロリーは3分の2からほぼ同等です。日々成長していくために、子どもにはこれだけのエネルギーが必要なのです。 ただし、よくある相談で「うちの子は食べなくて心配」というものがありますが、順調に成長していれば、お母さんがよそのお子さんや育児の本の内容と比較して、食べていないと感じているだけで、そのお子さんなりに食べているのだと思います。成長・発育が順調ならば心配はいりません。 |
| まず、脂質所要量ですが、こどもの場合は、エネルギーに対して脂肪エネルギー比率が3分の1くらいが適当と言われています。大人になるとこの比率はずっと下がってきます。揚げ物ばかりを食べさせたりするのはもちろん良くありませんが、ある程度の脂質の摂取も必要ですから、大人のように「太らないように」油分を必要以上に制限したりすることはやめましょう。 次にたんぱく質所要量ですが、大人は体重1kgに対して所要量は約1gなのに比べ、こどもは2.6〜2.7gと、たくさんのたんぱく質が必要なことが分かります。肉や魚などの良質のタンパク質を十分に摂取させることが必要です。子どもはお肉が好き、というのは自然な身体の要求ということもあるようです。 ![]() 最後に、無機質(ミネラル)摂取ですが、特に気にされる方の多いカルシウムは、お母様世代が600mgに対し、こどもは500mgとほぼ同じです。骨が伸びる時期ですから、牛乳や乳製品も必要です。ただし、カルシウムに関しては、最近は牛乳・乳製品が豊富になってよく与える機会も多いことから、必要量が取れていないということは少ないようですが、気をつけたいのが鉄です。特に離乳期には注意が必要です。おっぱいやミルクを飲んでいるうちは不足はおこりにくいですが、離乳がすすんで、おっぱいやミルクの比率が下がってきたときに、鉄が足りなくなりがちです。離乳食ではまだまだバランスよく食事できるところまでいかず、しかも急激に成長する時期にも重なるため、お母さんは意識して鉄を補給してあげる必要があります。そのために有効なのがフォローアップミルクで、この不足しがちな鉄を補う成分配合となっています。 牛乳では代用できないか、というお話もありますが、牛乳に鉄はほとんど含まれていませんから、代用にはなりません。食事が大人と同じようにできるようになってきたら、鉄は吸収率が低いので、ほうれん草など、野菜からの摂取だけでなく、吸収率の高いお肉やお魚など動物性の食品から摂取するといいですね。ただし、肉に偏らず、肉と野菜をバランス良く食べることが丈夫な身体作りにはおすすめですね。 ![]() |
| 肥満は早めに手を打っておかないと、改善するのが難しくなります。 昔は“幼児の頃に太っていても、それは大人の肥満には移行しない”と言われていたのですが、現在それは違う、ということがわかってきています。乳児の頃のぷくぷくとしたいわゆる“赤ちゃん体型”は問題のないことがほとんどですが、1歳を過ぎたら気をつけてあげることが必要です。 旭川医科大学小児科の研究によると、幼児期の体格は学童期へと移行し、かつ成人へと移行していく傾向がはっきりと認められます(小児期およびその親の体型が成人期肥満に移行する頻度の表参照)。つまり幼児の時に肥満させたままにしておくと、そのままの状態で大人になってしまう可能性がある、ということです。また、親が肥満体型の場合、子どもも肥満になる確率はさらに高くなるというデータもあります。このように、1歳を過ぎた幼児が肥満している場合、また両親・もしくはどちらかの親が肥満体型の場合は、食事内容や量を見直してみる、あるいは外で運動する機会を増やしてあげるなどの必要もあるかもしれません。 現在肥満かどうかを確認するには、母子手帳にも掲載されている幼児の身長体重曲線を目安にしてみてください。曲線に急激な変化がみられる時は気をつけましょう。また、乳児の身長と体重のバランスをみる場合にはKaup(カウプ)指数を用いるのもよいでしょう。 参考資料・表引用 旭川医科大学 伊藤善也、藤枝憲二著「小児科臨床 p.p.2451-2459、vol.56 NO.12 2003」「1.小児保健と肥満 (1)母子保健(地域保健)と肥満」より 発行:日本小児医事出版社 ![]() ●H「肥満」とは、Kaup指数(97%タイル以上)あるいは肥満度(幼児期は15%以上、学童期は20%以上)で判定> |
|||
|
| ← わが家の離乳食 TOP |








