母乳は赤ちゃんにとって理想的な栄養源です。成長するために欠かせない栄養素をバランス良く含むうえ、消化吸収もバツグンです。赤ちゃんを病気から守る免疫抗体も多量に含まれています。
よく「胸が小さいから母乳が出るかどうか心配」という人がいますが、乳房の大きさは母乳の出方とほとんど関係ありません。それよりも重要なのは、乳頭が赤ちゃんにとって吸いやすいかどうかということです。特に乳頭が陥没していたり、形が扁平だったり小さかったりする人は妊娠中から乳首のケアを習慣にして、赤ちゃんが吸いやすいよう準備をしておきましょう。
赤ちゃんがおっぱいに吸いつく力はかなり強いので、乳首が硬かったり乳首の皮膚が弱かったりすると乳頭が切れてしまうことがあります。やわらかく丈夫な乳頭を作るために、乳頭の形に心配がない人でも普段からケアをしておくことが大切です。
乳首のケアは妊娠中期に入ってから始めましょう。ただし、乳首を刺激すると子宮が収縮することがあるので人によってはケアを避けたほうがいい場合もあります。必ず医師に相談してから始めましょう。おなかの張りを感じたときはすぐに中止してください。また、妊娠32週から36週は、早産防止のためにいったんケアを中止すると安心です。
乳頭ケアは皮膚がやわらかくなるお風呂あがりなどに爪を切った清潔な手で、次の手順で行いましょう。
陥没乳頭や扁平・小乳頭の場合は、1日4〜5回ずつ念入りに行うといいでしょう。乳頭吸引器など扁平乳頭や陥没乳頭を矯正するグッズもありますので、医師や助産師に相談してみましょう。
乳頭ケアで思ったように形がよくならなくても、乳首は赤ちゃんに吸ってもらっているうちにだんだん吸いやすい形に変わってきます。
ぴったりサイズのブラジャーは乳房の血行を妨げ乳腺が発達しにくくなります。妊娠5ヶ月くらいになったら乳房をやさしくガードするゆったりサイズのブラジャーに替えましょう。また、乳頭がブラジャーに擦れたり押しつぶされたりしないよう保護する乳頭保護パッドも市販されています。乳頭が痛いときなどに利用してみましょう。
おっぱいの原料となるのはお母さんが食べた食品の栄養素です。おいしい母乳を作るのは、バランスのとれた食事が基本です。授乳期はもちろん妊娠中から食事の内容に気をつけるようにしましょう。
母乳のために何か特別な食生活が必要ということはありません。カロリーの摂りすぎに注意し、脂っこいものや甘いものを控える、良質のたんぱく質や野菜を充分とるという妊娠中の食事の基本に気をつけていれば大丈夫です。あえて付け加えるとすれば、母乳にはビタミンKが不足しているという欠点があります。病院でもビタミンKのシロップを赤ちゃんに飲ませますが、お母さんの食事からも補給しておけばいっそう安心です。緑黄色野菜や納豆など、ビタミンKを含む食品を積極的に摂るようにしましょう。
日常生活の中で体を自然に動かすことも、乳房の血行をよくしてスムーズな授乳へとつながります。家事をするときに肩や腕を意識して大きく動かすようにするだけでも効果があります。妊娠36週目を過ぎたら軽く乳房をマッサージするのもいいでしょう。乳房の付け根に両手を添えて、力は入れずリラックスしてそのままゆっくりとやさしく乳頭方向へ持ち上げます。マッサージの仕方を指導してくれる病院もありますので、医師や助産師に相談してみましょう。
