アトピー性皮膚炎の基礎知識「守ってあげたい赤ちゃん肌」 はっぴーママ.com

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守ってあげたい赤ちゃん肌
アトピー性皮膚炎の基礎知識
はっぴーママ.comで行ったアンケートでも、ご相談の多かったアトピー性皮膚炎。厚生労働省の行った調査「アレルギー疾患の疫学に関する研究」によると、およそ日本国民の3人に一人がアトピーを含むなんらかのアレルギー症状をかかえているとのことです。治療には通常長くかかるため、薬に対する不安も大きく、さまざまな噂も飛びかう状態で、深刻に悩む方もいらっしゃるようです。
国立成育医療センターで小児皮膚を専門にされてきた、皮膚科医師濱崎先生に治療の現場からのアドバイスをいただきました。
アトピー性皮膚炎ってどんなもの?
アトピー性皮膚炎にはアレルギー的な側面と、皮膚が乾燥しバリアー機能が弱いという非アレルギー的な側面があります。子どもの皮膚はただでさえ、大人に比べてバリアー機能が弱いため、アトピー素因があると子ども時代にアトピー性皮膚炎を発症しやすく、大人になり皮膚が成熟するにつれて軽くなる傾向があります。つまり、子どものアトピー性皮膚炎は非アレルギー的な側面が強いのです。非アレルギー的な側面は、正しいスキンケアを継続することで、皮膚の症状を緩和したり、予防していくことができます。ですから、アトピー性皮膚炎のお子さんは、治療と並行して、毎日適切にスキンケアをしていくことがとても大切になります。(スキンケアについては乾燥肌の項目を参照してください。)
受診の目安は?
顔や首にカサカサまたはじくじくした湿疹ができ、スキンケアをしているのに治りにくい時は受診しましょう。生後2〜3ヶ月では診断がつきにくいのですが、医師は症状に合わせて塗り薬を使いながら経過を観察します。
どんな症状?
一般的に、アトピー性皮膚炎とは
(1)かゆみがあり、
(2)慢性に繰り返す
(3)特徴的な湿疹
が出た場合をいいます。生後2〜3ヶ月頃までは乳児湿疹と区別がつきにくいですが、生後3〜4ヶ月を過ぎてもかゆみを伴う湿疹を繰り返したり、湿疹がじくじくして悪化したり、全身が粉をふいたようにカサカサ、ザラザラしてきたりします。中でも特徴的なのは、いわゆる“耳切れ”と呼ばれているもので、耳のつけ根が切れて赤くカサカサしてきます。
ステロイド剤と治療について
皮膚に症状が出ているわけですから、治療の主体は塗り薬になります。まず、アトピー性皮膚炎の方は体質的な皮膚の乾燥が見られるため、多くの場合、保湿剤として白色ワセリンや保湿クリームが処方されます。そして、症状のひどい部分には、症状に合わせて非ステロイド薬やステロイド薬の軟膏が処方されます。また、かゆみが強い場合には抗ヒスタミン作用の飲み薬が出る場合もあります。
使用するお薬の強さは、アトピー性皮膚炎の程度や、症状の強さ、部位によって異なります。早目に診察を受け、専門医に見立ててもらったお薬をしっかり使用してあげましょう。ステロイド外用薬については、今では正しく認識されるようになり、一時よりもステロイド薬の使用をやみくもに怖がる方は少なくなっていると思います。なぜなら、ステロイド薬は開発されてから50年以上もたつ使用症例数の豊富なお薬で、効果的な安全な使用方法が確立されているからです。また、昨年12月から、2歳以上のお子さんにはタクロリムス軟膏という、効果がステロイド薬と同等の、ステロイド薬に替わる外用薬も登場しています。
いずれにしても、お薬をやみくもに怖がることでは、目の前でアトピー性皮膚炎の症状に悩まれているお子さんの症状をよくしてあげることはできません。お子さん自身では治療方針が決定できない以上、保護者の方にはお子さんを救う責任があるということをどうか心にとめておいてください。ただ、お薬を怖がることは、目の前のお子さんから、アトピー性皮膚炎から逃げているだけです。お子さんにとって今何が一番必要なのかということを、冷静に判断することが周りの大人の責任であると考えます。治療は、お子さん、保護者、医師の3本柱で進められます。経過の長いご病気であるだけに、心配になったり不安にかられたり、他人の何気ない一言にとても動揺したりする場合があると思います。信頼できる医師にその都度相談しながら、お子さんにとって一番いい方法を模索していかれることが何よりだと思います。
付録:ステロイド外用薬
  軽症 中等症 重症 最重症 ※



全年齢
ステロイドを含まない外用薬
必要に応じてステロイド薬
(マイルド以下)
・2歳未満
 ステロイド外用薬
 (マイルド以下)
・2-12歳
 ステロイド外用薬
 (ストロング以下)
・13歳以上
 ステロイド外用薬
 (ベリーストロング以下)
・2歳未満
 ステロイド外用薬
 (ストロング以下)
・2-12歳
 ステロイド外用薬
 (ベリーストロング以下)
・13歳以上
 ステロイド外用薬
 (ベリーストロング以下)
・2歳未満
 ステロイド外用薬
 (ストロング以下)
・2-12歳
 ステロイド外用薬
 (ベリーストロング以下)
・13歳以上
 ステロイド外用薬
 (ベリーストロング以下)



必要に応じて
抗ヒスタミン薬
抗アレルギー薬
必要に応じて
抗ヒスタミン薬
抗アレルギー薬
必要に応じて
抗ヒスタミン薬
抗アレルギー薬
必要に応じて
抗ヒスタミン薬
抗アレルギー薬
ステメロイド
(必要に応じて一時的に)
※原則として一時入院
リウマチ・アレルギー情報センター>ガイドライン>アトピー性皮膚炎
より引用 ※注“アレルギー情報のページは患者さんや家族の方々に正しい疾病情報、診断情報を提供し、療養に役立てていただくことと、診療に携わる医療者に迅速に専門情報を届けることを目的に開設されました。個々の症状等については主治医、あるいは専門医にご相談ください。”
ステロイド外用薬の局所性副作用
  2歳未満 2歳以上13歳未満 13歳以上
頬部の血管拡張 0% 2.3% 13.3%
肘窩の皮膚萎縮 1.5% 5.2% 15.8%
膝窩の皮膚萎縮 1.9% 4.1% 9.8%
ざ瘡・毛嚢炎 0% 1.3% 8.2%
多毛 0.5% 1% 2.7%
細菌感染症 1.4% 2.1% 2.5%
真菌感染症 1.9% 0.6% 1.2%
酒さ様皮膚炎 0% 0.4% 3.1%
接触皮膚炎 0% 0.4% 0.8%
皮膚線条 0% 0% 1%

日常診察におけるステロイド軟膏使用量調査
6ケ月間の90%使用量 (一本5gチューブとして)
  2歳未満 2歳以上13歳未満 13歳以上
患者数 210例 546例 515例
顔面 2本程 3本程 7本程
体全体 18本程 26本程 61本程
厚生労働省科学研究「アトピー性皮膚炎の既存治療法の適応と有効性の再評価に関する研究」(1999-2001年度)患者さん向けインターネットパンフレット『アトピー性皮膚炎についていっしょに考えましょう』より引用

濱崎せり先生写真
濱崎せり先生 プロフィール
東京都目黒区鷹番・世田谷区下馬
西條クリニック皮膚科医師。
国立小児病院(現国立成育医療センター)で
小児皮膚を専門に診察に携わり、2003年より現職。
ご自身も小学生の1児のママでもあります。

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