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母子関係は、母親が子どもの「安全基地」となることによって、子どもの心身の発達と健康が確保され、増進されることが知られています。そこで、父親はどのような役割を果たすことができるのでしょう。前述したように、父親は生物学的基盤を持った「子どもの安全基地」に直接なることは難しいため、この意味で子どもにとって母親の代替になることは難しいのですが、父親は「母と子の安全基地」となるという大事な役割があり、これによって母親の心が安定し、母親はしっかりとした「子どもの安全基地」として機能することができるという大きな効果があります。 父親と子どもの心理的的問題を取り上げた研究によると、父親には |
| 「母親を精神的に支え援助する」 「子どもと関わり、母親と違った目で子どもを見守り支える」 「子どもの社会性の発達を助ける」 「母子の共生関係に介入する」 |
| の主に4つの役割があり、これらが機能しない場合には子どもの心理的問題を引き起こしたり、これらの役割を父親がきちんと果たすことによって子どもの心理状態が改善する、といった働きがあることが認められています。 |
| これまで大勢の子どもの心の問題について、相談を取り扱ってきましたが、ここから言える事は「夫婦関係が良い状態であれば子どもの心に大きな問題は起きないことが多い」ということです。このとき、関係が“良い”といういのは、ごく普通に安定していれば良いのです。子どもに対するお母さんたちの接し方にも言えることですが、毎日完璧でなくとも、家計簿と同じで関係が良い日もあれば悪い日もあり、しかし全体を通してみればプラス、という状態で充分だと思います。 |
| 最後に、男性たちに申しあげたいのは、男も「泣く」ことは決して悪いことではない、ということです。昔の男性はよく泣いていたようです。「男泣き」という言葉がありますが、本来恥ずかしいことではありません。勝海舟の父親は、子ども(海舟)が怪我をしたとき、泣きながら看病した、という話も残っています。男性も、もっと情緒情感が豊かでありたいものです。 会社で仕事をするためのコミュニケーションとは違う、日常生活・家庭生活で必要とされる「相手を理解し、相手の立場にたつ」という現代社会ではあまり重要視されていない、男性の“情緒的な社会性の能力”が、今後のよりよい家庭生活のためにはもっと必要なのではないでしょうか。 |
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社会福祉法人 恩賜財団 母子愛育会 日本子ども家庭総合研究所 愛育相談所長 川井 尚 先生 |
| ・愛育相談所 〒106-8580 東京都港区南麻布5-6-8 ・専門 「発達心理臨床」 ・主な研究分野「発達心理臨床の基本概念の構築、父親の役割、育児不安」 |
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| << 研究・執筆活動 >> ●生活教育 2002年6月 特集 父親の育児参加支援に向けて ―その役割意識をどう高めていくか 〜巻頭論稿 育児における父親の役割;その現状と今後の課題 ●小児科(1995) 第37巻 第3号 1996 父親カウンセリングの基本 267 ●平成15年度「日本子ども家庭総合研究所紀要」9.父親・男性研究III ●(1993)育児における父親の役割に関する調査研究 平成5年度厚生省心身障害研究 ほか多数の父親の役割研究と執筆・講演等の活動をされています。 |
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母子関係は、母親が子どもの「安全基地」となることによって、子どもの心身の発達と健康が確保され、増進されることが知られています。そこで、父親はどのような役割を果たすことができるのでしょう。